写真が好きだった父が残したアルバム。なんと60冊以上もありました。
父の最期を見送り、遺品を整理しようという時。
納戸の奥の古いアルバムを何十年ぶりに開いてみると、
愛情を一心に注いでくれた両親の笑顔、
屈託のない笑みを向ける自分の姿、たくさんの忘れかけていた日々が甦りました。
数々の写真から、姿はなくても父は天国から今も
私にエールを贈ってくれているんだと確信し、心が温かくなったのです。
そんな思い出が詰まったアルバムはどうしても残しておきたい。
けれど、スペースを考えると保管し続けるのも現実的に難しい……。
そこで私は、60冊のアルバムのダイジェスト版として1 冊の写真集を創ってみました。
大半のアルバムは処分しましたが、不思議なほど気持ちはすっきりしました。
ダイジェスト版の1冊さえあれば、少し悲しいことがあった日など、すぐに
アルバムを取り出すことができ、両親の笑顔や幼少の頃の思い出を眺め、
元気や勇気をもらい心の支えになります。
生きてきた証、心の財産を納戸の奥に眠らせておくだけではもったいない。
かけがえのない思い出をいつでもすぐに振り返られるようにしたい。
これが、「思い出編集室」を立ち上げたきっかけです。
みなさまの思い出の数々に、場所を取らない新しい保存方法を見つけます。
思い出編集室
思い出編集アドバイザー 小野めぐみ
(株式会社小瑠璃舎 代表取締役)
1962年、東京生まれ。短大卒業後、大手銀行などを経て出版社勤務(メディアファクトリー~KADOKAWA)、のちフリー編集者として活動。数々の書籍の編集に携わる。
2015年に父を亡くしたことをきっかけに、思い出を残す方法を模索し始め、新たなライフワークとして株式会社小瑠璃舎(こるりしゃ)を設立。